楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

お湯を垂れ流す自動風呂給湯器

      2009/11/28

実家の風呂が新しくなり,台所からリモートでお湯を入れたり,温度を調節したりできるようになっていた.

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自動風呂給湯器コントローラの「風呂自動」ボタンを押すと,「お湯張りをします」という音声ガイダンスが入り,自動で湯張りを開始してくれる.

システムは湯の深さを検知する仕組みを持っており(水圧を利用?),指定の深さまで湯張り完了すると,「湯張り完了しました」という音声ガイダンスとともに,給湯を停止する.

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これまで数々のBadUIを紹介している通り,私はうっかり屋なうえ,すぐにほかの事に興味を持ってしまいます.そのため,風呂を入れてる最中にテレビを見たり,本を読んだり,仕事をしたりしまい,沸騰するまで風呂を沸かしたことのある私にとっては,この音声ガイダンスによる注意の喚起&自動停止はとてもありがたいものです.

しかし,このシステムには,風呂の栓をしていないと,延々給湯しようとするという致命的な欠点があります.

  1. 風呂を洗うときには当然風呂の栓を開ける
  2. 風呂洗いをしてすぐに風呂に入ることは少なく,夜になり風呂に入るためリモートで湯張りをする.
  3. 風呂の湯張りが完了するまで時間をつぶすため,テレビを見たり,本を読んだりする.
  4. 音声案内がないためおかしいなぁと思ってチェックしに行くと,ただただ供給される湯がそのまま排水溝へと流れていっていくのにでくわす orz

うちの親は,2度ほど栓をせずに湯張りをしようとしてしまい,30分後くらいに気づいてへこんだのだとか.うっかり屋な私も当然のように栓をせずに湯張りをしてしまい,お湯がたまっていないことがありました.

湯の深さを検知する仕組みがあるのだから,一定量供給しても湯張りが完了しない場合 or 水位に変化が無い場合,注意を喚起するような機能があっても良いと思います.風呂自動ボタンを押したときに,「お湯張りをします」に合わせて,「風呂の栓をしましたか?」と注意を喚起するだけでも少しは違うかもしれませんが,まぁこれは毎日使うと余計なお世話と感じてしまうでしょうから難しいところですね.

自動化システムって便利なようで意外と抜けておりなかなか難しいものです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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