楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

日本人には分かりにくいチケット券売機

   

昨日に引き続きBARTネタ.下の写真はBARTに乗るためのチケットを購入する際に出会ったチケット券売機.しばらく使い方が分からず悩んでしまいました.

bart_ticket2

まず,この自動券売機の隣にある目的駅までほげほげドルと書いてあるところをチェックし,サンフランシスコ国際空港から目的地のDowntown Berkeleyまでは8.65ドルであることを確認.

8.65ドルのチケットを購入するため,このディスプレイに表示されているBill/Coinに相当するボタンを押して,支払う額を指定したくなるのですが,Bill/Coinに相当する(と思われるが,実際は対応しているわけではない)ボタンは押しても反応しません.

ちょっと考えた後,先にお金を入れるのだと思い至り,お金を投入します.(まぁ,これに関してはちゃんと画面で案内してあるんですが,Bill/CoinやCredit,Old Ticketのすぐ横に対応するかのようにボタンがあるため,押したくなってしまうんですよね)

アメリカに入国したばかりで小銭などありませんので,10ドル札を投入.カードも使えるのですが,海外の自動販売機でカードを使うのは怖いので(カードが出てこなくなったというトラブルを良く聞くため)ここは紙幣でチケット購入.

お金を投入すると,下のように表示されます.

bart_ticket3

見慣れないインタフェースですし,「Print $10.00 Ticket」 というのがまず目に入り,10ドルじゃなくて8.65ドルが欲しいのだが・・・と,ポカーンとしてしまいます.知人はこの「Print $10.00 Ticket」を押して10ドル分のチケットを購入してしまい,1ドルちょっとお金を損していました.私も,しばらくう~んと悩んでしまっていました.

ちょっと考えた後,画面の左側にSubtract $1およびSubtract 5¢というボタンがあることに気づきます.もしかしたらとこのボタンを押してみると,押した分だけ「Print $**.** Ticket」という部分の額が下がっていきます.なるほどと思ってボタンを連打して額を変更.実際には,Subtract $1を1回押して$9.00まで下げ,次にSubtract 5セントを7回押して$8.65まで変更しました.次いで,「Print $8.65 Ticket」というボタンを押すことでようやく発券されるという流れでした.

bart_ticket4

上の写真が,その目的の$8.65に設定し,これから Print $8.65 Ticket を押そうとしているところ.わかってみれば何ともないシステムなのですが,日本のような高機能な券売機を使っていると,目的額から引き算をしてたどり着くという仕組みはなんとも不思議で困ってしまいます.ちなみに,Subtractで額を引きすぎた場合,Addを押すことで額を増やすことができます.良くできているんだかできていないんだか・・・

何にせよ,目的とする額にたどり着くまで合計8回もボタンを押さなければならないというのは,ちょっとどうだかなぁと思ってしまうのでした.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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