楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

取っ手があるのに取っ手を掴んじゃいけないドア

      2015/10/12

先日,とあるホテルで出会ったとびらがなかなか衝撃的だったので紹介.

下の写真は,そのホテルのテラスとホテル内の間にあるガラスのドアです.さて,このドア,どうやって開けるでしょうか?

さて,どうやって開ける?

さて,どうやって開ける?

多くの人が,このドアについている金色の取っ手らしき部分を握り,スライドさせると考えるのではないでしょうか? しかし,このとびら,スライドさせようとしてもスライドしません.ちなみに,逆から見た様子がこちら.

ホテルの内と外とをつなぐとびら

逆から見た様子

もう少し拡大してみた様子がこちら.

拡大

拡大した様子

金色の取っ手の上に,何やら見慣れた「自動」と書かれたものがあります.まぁ,直ぐにわかると思いますが,これは実を言うと自動ドアだったわけです.利用している様子は下のような感じ.

思いっきり騙されてしまいました.

ドアの各部分の新しさから察するに,昔はこの取っ手を握ってスライドさせるドアだったのかもしれません.ただそれだと何らかの問題があって(ドアが開けっ放しになる,ドアが重くて開けにくく苦労する人がいるなど?),問題を解決するために自動ドアへと変更されたのかもしれません.または,自動ドアの電源を頻繁にON・OFFと切り替えるため,OFFにした時に開けるためとこの取っ手が付けられているのかもしれません.

もし,後から自動ドアに変更したのであれば,この取っ手は外しておいたほうが良いと思います.また,OFFの時にスタッフが使うためであったとしても,普段は一般の利用者が使うわけですので,それに配慮した作りにしておいたほうが良いと思います(他を出入り口とするなど).

なんにせよ,ほぼ間違いなく取っ手を掴んで操作される,楽しいドアでした.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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