BADUI申請書

   

学校や会社,役所やイベントなどで,登録手続きを行う際に手書きの入力フォームで困った経験は無いでしょうか? 書き間違えてしまって,二重線+印鑑で修正したり,別の用紙をもらった経験はないでしょうか?

今回紹介するのは,そうした手書きの入力フォームで,困ったものを集約したものです.こちらからオリジナルのPDFを印刷できますので,是非とも埋めてみて下さい.あまり時間をかけず,5分程度で書いてみてもらえればと思います.

BADUIな申請書

BADUIな申請書

ちなみに,これは架空のものですが,色々私が出会って困った色々な入力フォームを集約したものです.書き間違うこと無く書き込めた方はどれくらい居らっしゃいますでしょうか?

色々引っかかるポイントはあるかと思います.

  • 申請日時の欄は年月日の順.ただし,年は2桁だが平成ではなく,西暦の下2桁を記入する(申請書の最下段の※参照).このフォームに挑戦した学生さんの多くが平成で書いていました.
  • 氏名の欄は,名-姓の順.つまり,「中村聡史」の場合は,「聡史」「中村」と入力する(英語の申請書類をそのまま流用したのだと思われます) .このフォーム,学生さんたちに書かせてるんですが,間違うなよと言っているにもかかわらず,まず間違いなく「中村」「聡史」と書いてしまいます.
  • 性別は,「Female=女性」「Male=男性」の大文字のみが提示されています.男性の場合は「M」ですね.ただし,ここでは「M」と書くのではなく,「2」と書くのが正解です(というか,Mと書いて提出したら「2」と書いてくださいと修正されました).
  • 生年月日の年は同じく西暦の下2桁.西暦の下2桁という事自体は「申請日時」の場所で間違わずに入力できていれば気づくのですが,生年月日の場所は,「月-日-年」の順番.申請日時と似たようなフォームなので,まず間違います.何故,同じタイプのものを入力するよう要求しているのに,順番を変えてしまったんでしょうね・・・.
  • 年齢の満何歳ってのはいつもどっちだっけと悩んでしまいますよね.というか,生年月日の指定フォームがあるのだから,ここは記入しなくても良いのではとかついつい思ってしまいます.
  • 郵便番号は問題ないのですが,ハイフン以降が狭い(ハイフンより前は3桁,ハイフンより後は4桁なのに・・・).昔の郵便番号入力フォームをそのまま流用しているのかもしれません(昔の郵便番号(1998年まで)はハイフンの前が3桁で,ハイフンの後が2桁).
  • 住所自体は問題ないのですが,ふりがなが2行にわたっており入力しにくいのが難点です.
  • 電話番号と携帯番号の入力については一見すると問題ないようにも見て取れます.しかし,申請書下部の※を読むと,「電話番号と携帯電話の番号は右づめで記入下さい」とあります.左詰めで記入してしまったらアウトです.ちなみに,ハイフンを入れるかどうかについてはここでは指定が無いのでハイフンの入力は不要です(むしろハイフンを入れたら修正対象になります).
  • メールアドレスは一見問題ないようにも思えますが,まず大文字で書けという指定があります.これメールアドレスをよく入力する人であればあるほど書き間違いやすいです.また,メールアドレスの1文字1文字についてフリガナを書けという指定も有ります.このフリガナも,メールアドレスを入力する人ほどよく書き間違えます.あと,大きな問題なのがメールアドレスを入力するには文字数が足りません.(こういうメールアドレス入力書類が,あまりコンピュータとか関係のなさそうなお役所とかで提示されるのならまだしも,とあるプロバイダから送られてきた時には愕然としてしまいました・・・)
  • 最後に,書類の一番下にあるのですが,「申請内容をもとにDMを送ってほしくない場合はチェックを入れて下さい」とあります.チェックを入れずに提出してしまうと,色々な宣伝のメールが届きます.説明書きに潜むようにして存在するこういうチェックボックは本当に滅んで欲しいBADUIです.

といった感じです.いかがでしたでしょうか?

ゼミなどで学生さんに入力してもらっていますが,間違わずに入力できる人はほぼ居ません.全ての項目について間違えて記入した学生さんも居ました.こういう書類は勘弁して欲しいものです.

さて,こういった書類を見ていただくとよくわかると思うのですが,まずこうした書類をプロのデザイナーが作成するということはありません.どこかの,事務や総務担当,または特にそうした業務でない人が「お願い」と言われて作成することも多いかと思います.つまり,BADUIは決してプロのデザイナーやプロのエンジニアだけが作るものではありません.WordやExcelなどで手軽に書類を作成することができるようになり,安価なプリンタで大量できるようになった現在では,誰もがBADUIの作成者になり得るというお話でした.

「誰もがBADUI作成者になってしまう/なっている」そんなことを考えて,今BADUIに関する本を書いています.最後にちょっとだけ宣伝でした.

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