楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

発信と受信が難しい携帯電話

   

昔,携帯電話を海外で借りたとき,ちょっとした違いによって面倒だと感じることがありました.

下の写真の左は日本で私が使っていた携帯電話,右は私がスペイン出張時に借りた携帯電話(モトローラ製)の写真です.違いにお気づきになるでしょうか?

mobile_phone

違いは「通話ボタン」と,「通話終了ボタン」の位置です.左右逆になっています.日本の携帯は左側が通話(発信/受信)ボタン,欧州で借りたモトローラの携帯は左側が通話終了(キャンセル)ボタンとなっています.

たいしたことないのではと思われるかもしれませんが,結構この違いは大きく,操作ミスを繰り返して面倒なことになってしまうという問題があります.

例えば,一緒になった人から「ちょっとこの番号にかけてもらえる?」と言われた時に,国コード入りの長ったらしい番号を入力し,さてかけようと思って通話ボタンを押したつもりで通話終了ボタン(キャンセルボタン)を押してしまい,また番号を一から入力しなおしということを一度の出張中に3度もやらかしてしまいました.数字の配列はどちらも一緒なので,数字を入力しているうちにいつもの携帯電話を入力しているような気になってしまい,番号入力完了後につい間違って通話終了ボタンを押してしまうんですよね.

また,出張中に日本からかかってきた電話を取ろうとして「通話終了ボタン」を押してしまい,勝手に留守番電話モードに移行してした結果,慣れない携帯電話でどうしたらよいのか悩んでいるうちに通話終了してしまったことが2度ありました.着信履歴の確認方法を調べるのに難儀したうえ,そのまま掛け直しても繋がらなかったため冷や汗ものでした.

ちなみに,現在ではモトローラの通話ボタン,通話終了ボタンは日本のそれと同じ配置になっています.やっぱりそっちの方が使いやすいということになったのか,それともユーザの数に押されたのか・・・

いつごろどのような経緯でボタンの位置が逆になったのかご存知の方いらっしゃいましたら教えていただけますと幸いです.

ちなみに,緑のボタンが通話ボタン,赤のボタンが通話終了ボタンという色の設定は,配置が変わった今でも変更がないようです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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