楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

ホテルの部屋番号がわからなくなって難儀する

   

最近,鍵がカードタイプのものになっており,ホテルのフロントでそのカードに指定の部屋を開けるためのキーを書き込み,ホテルの部屋の前のリーダで書き込まれたキーを読み込むことで鍵の解錠を行うホテルが増えています.

キー番号は随時変更されるため,もし客が鍵を無くしてしまったとしても鍵を交換する必要がなく,こうした仕組みというのはホテル運営上のリスクが少なくなるという点でとてもよいものだと思います(まぁ,セキュリティ的に問題のあるところもあるようですが・・・).ただ,こうしたカードキーにもUI的な問題が・・・

一般的なホテルの鍵はその鍵自体に部屋番号が書いてあるのですが,フロントでキーを書き込むタイプの磁気カードキーはどのカードであってもキーさえ書き込めばその部屋用に利用できるので,カード自体に部屋番号が書いてありません.例えば,下の写真の様な感じで表面にも部屋番号はないですし

部屋番号が無い

部屋番号が無い

裏面にもありません.

部屋番号が無い

部屋番号が無い

落としても不正利用される心配が無いという良い面もあるのですが,滞在していた部屋番号を忘れてしまうと大変なことになります.実際,この時は朝食を摂ろうと朝食会場に行った時に部屋番号を訊かれ,答えることが出来ず,一生懸命思い出してそもそも存在しない部屋番号を答えてしまうなどして難儀してしまいました.また,部屋に戻るときにも,ある程度のエレベータからの距離と方向は覚えていたのですが正確には覚えておらず,間違った部屋のカードキーリーダーに触れるというダメなことをしてしまいました.

チェックイン時には部屋番号が書かれた紙のカードキーホルダーも一緒に渡されるのでそれを持っておけばよいのですが,カードタイプなのでついついカードキーホルダーを使わずに財布に入れてしまい,結果困ってしまったことになってしまうことが多々あります.また,海外出張で同室の学生さんが,ちょっと外に出た時に部屋番号がわからなくなってしまって難儀するということも有りました.それ以外にも,実際に部屋番号を覚えていたのに,磁気カードが他のカードなどの影響を受けて消えてしまい,部屋番号を間違って覚えていたかなと彷徨うということも有りました.

なかなか解決は難しいものですが,なにかしら工夫が欲しいカードキーさんでした.BADUIってそこに研究や商売の可能性があるという点でも面白いです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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