楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

イベントはどちらの扉の先で開かれているのか?

      2014/02/03

とある場所で開かれていたイベントのポスターで,間違った方向に誘導されそうだったので紹介.

エレベータをおりてすぐ目の前に下の写真にあるようなイベントのポスターが有りました.

イベントのポスター

イベントのポスター

さて,このポスターは下図のような場所に貼ってあります.エレベータをおりて,まっすぐの場所にポスターがあり,左側に「A」,右側に「B」の扉が有ります.さて,イベントはAとBどちらの扉を出た先にあると考えたでしょうか?

エレベータホール

エレベータホール

このポスターを見ると,大抵の人が左側の「A」の扉を選択します.ちなみに,このポスターを見るだけでは,どちらの扉を出た先でイベントをやっているかという情報はありません.ただ,ポスター内にある「左向きの矢印」を見て,ついつい左側の扉「A」を選択してしまう人が多いようです.

意図的に隠していたのですが,本当は下のようにポスターが貼ってありました.

右のドアを出て右手へ

右のドアを出て右手へ

このイベントは「右のドアを出て右手へ」進んだ先にあると示されています.つまり,「B」の扉が正解でした.ただ,この上の説明書きと,ポスターとが関係しているものだと気付かず,ついついポスターだけを見て左側の「A」の扉を選択しているようでした.

この場合は意図して作成した矢印ではなく,イラストとして矢印が使われている事例なのですが,人というのは矢印のちからに強く導かれる特性があります.このポスターを作成した人は,おそらくイラストを作成した人とは違い,イラストをただ使わせてもらっているだけだと思います.でも,そのイラスト内の矢印が思いの外効力を発揮し,人を導いていたのでした.

イラストとして矢印を使う場合には要注意というお話でした.なんとも興味深いです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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