楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

目的のクレープの値段がわからない自動券売機

      2016/06/13

ちょっとバタバタしすぎていたためBADUIネタがたまりすぎてきているので、少しずつ消化していこうと思います。

今回紹介するのは、学生さんからのタレこみで自動券売機にまつわるBADUI。自動券売機といえばBADUIの宝庫ですし、小さな飲食店の自動券売機は、そのお店の人によってとりあえずの形で作られていることが多いため、わかりにくいものが多くとても興味深いものです。

今回、学生さんにタレこんでいただいたのは、下図のような自動券売機。さて、あなたが購入しようとしているクレープはどれでしょうか?

さて、どれだ?

さて、どれだ?

このクレープ屋さんの場合、事前に食品サンプルを見てどのクレープにするか決めておいて、この券売機に並んでチケットを購入する形式になっているそうです。ただ、実際に券売機の前に来てみると、自分が購入しようとしていたクレープがどれなのか(値段をしっかり覚えておかないと)わからず、また食品サンプルが入ったケースのところまで行って、値段を確認する必要があるのだとか。私だったら、まず間違いなく値段を覚えておらず、引き返すことになりそうです。

おそらく種類などが色々あるからこうなってるんだと思いますが、記憶力と、何を記憶するべきかということを試されているような自動券売機でした。せめて、食品サンプルのところに値段を覚えておくように教示したり、この券売機の近くにメニューがほしいところです。

なお、この自動券売機、古くなっているせいなのかボタンを押してから券が発券されるまでちょっと遅れがあるのだとか。そのため、ボタンが押せていないのでは?と考えて再度ボタンを押してしまい、学生さんは同じ券を2枚購入してしまったのだとか…。

多分返金されるんでしょうけれど、お店の手間が増えるばかりですし、ボタンを押したら音を鳴らすなどのフィードバックを返すか、発券口に少し時間がかかりますのでボタンは1度だけ押してくださいなどの案内を付与したほうが良いかもな事例でした。

なんにせよ、券売機の前にきてユーザを軽く混乱させる、とても興味深いBADUIだと言えます。

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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