ユーザインタフェース関連参考書籍(「失敗から学ぶユーザインタフェース」より)

投稿者: | 2015年2月26日

失敗から学ぶユーザインタフェースは,デザイナやエンジニアといった職種の人に事例集として参考にして欲しいものではあるのですが,それより「ユーザインタフェースって何?」「使いやすいとか使いにくいって何?」「使えれば/書ければいいんじゃないの?」という人に手にとってもらい,わかりやすい失敗を導入とすることで,少しでも使いやすいユーザインタフェースというものに興味を持ってもらえればと思って書いています(意思決定する人とか,事務職の人とか,営業職の人とか……).そしてその結果,世の中のユーザインタフェースが多少でも改善されればなと思っています.

そういった事情もあり,「失敗から学ぶユーザインタフェース」では「ユーザインタフェース」について網羅できているわけではありませんし,あえて深く掘り下げるということもしていません.ユーザインタフェースに関しては世の中に良書がたくさんありますので,この本を読んでユーザインタフェースに興味を持ってもらった後に,手にとって欲しい本としていくつか紹介しています.折角ですので,そこで紹介している本をここで紹介させていただくとともに,簡単なコメントとともに紹介させて頂きます.興味のある方は,本屋で立ち読みしたり,図書館で探すなどして購入するかどうか判断してもらえればと思います.ちなみに,ここで紹介している以外にも私が知らないだけ(忘れているだけ)で,多くの良書があると思います.

まずは,本の末尾から(こちらのコメントは本に掲載しているのとほぼ同じです).

『誰のためのデザイン? – 認知科学者のデザイン原論』 ドナルド・A. ノーマン(著)、野島久雄(訳)、新曜社、1990年 (BADUI本でも何度か紹介しているドナルド・ノーマンが、使いにくい、わかりにくいユーザインタフェースについて熱く語っている本。多くの人に読まれている良書です。20 年以上前の本なので例が古いことと、写真が白黒なのが残念ですが、語られている話はとても面白く、この分野では必読といえます)

『ほんとに使える「ユーザビリティ」 – より良いデザインへのシンプルなアプローチ』 エリック・ライス(著)、浅野紀予(訳)、ビー・エヌ・エヌ新社、2013年 (ユーザビリティ(使いやすさ)に関する本。カラーでとても見やすく、また語り口も面白くてスイスイ読めてしまいます。紹介される々な悪いユーザインタフェースは、私がBADUIと呼んでいるものに通じるものがあり、とても興味深く感じます。Web のインタフェースを対象とした本ですが、是非お手に取られることをおすすめします)

『デザイニング・インタフェース 第 2 版』 Jenifer Tidwell(著)、ソシオメディア株式会社(監訳)、浅野紀予(訳)、オライリージャパン、2011年 (ユーザインタフェースの様々なパーツについて分解し、事例をベースに紹介する本。第2版では分量が大幅に増えており、全部に目を通そうと思うと大変ですが、資料集として使うにはとても良いと思います)

『コンピュータと人間の接点』 黒須正明、暦本純一(著)、放送大学教育振興会、2013年 (接点とはインタフェースに該当するものであり、人とコンピュータの間のインタフェースに関して体系的に学ぶことができる本です。放送大学の書籍なので、放送授業を視聴しながら勉強できるのもメリットです)

『ヒューマンコンピュータインタラクション入門』 椎尾一郎(著)、サイエンス社、2010年 (ヒューマンコンピュータインタラクションとは、人とコンピュータとのやりとりのこと。つまり、本書で扱っている操作対象がコンピュータになったものです。人のインタフェース特性や本書でも紹介しているインタフェースにまつわる制約やマッピングなどや、インタフェースの評価手法、次世代インタフェースについても扱われており、インタフェースに関する知識を広く得ることが出来ます)

『イラストで学ぶヒューマンインタフェース』 北原義典(著)、講談社、2011年 (ユーザインタフェースについて、多くのイラストを通して学ぶことができます。また、最新の研究にも触れつつ広い分野の話を紹介されていますので全体を俯瞰するのにいい本だと思います)

『ユーザーインタフェースデザインの基礎知識 ~プログラム設計からアプリケーションデザインまで~ 』 古賀直樹(著)、技術評論社、2010年 (例として出てくる画面デザインなどが少し古い事と、白黒なので色がわからない点が残念ではありますが、アプリケーション開発におけるユーザインタフェースについて体系的に学べる本です)

『認知インタフェース』 加藤隆(著)、オーム社、2002年 (ユーザを理解し、ユーザのことを考えてインタフェースを設計しようと思った場合、どうしても人間について深く知ることが必要になります。この本は、人の認知に注目し、「人がどのように世界を見ているのか」「人にはどのような機能が備わっているのか」「人は見たものをどのように判断しているのか」などを深く掘り下げる内容となっており、非常に興味深い一冊です。教科書的な本になります)

『ゲームインターフェイスデザイン』 ケヴィン・D・サーンダース、ジーニー・ノバック(著)、ボーンデジタル、2012年 (様々なゲームを通してユーザインタフェースを学ぶことができる本。ゲーム内でプレイヤの分身が操作するユーザインタフェースのことを、ダイジェティックインタフェースというのだとか。値段は高めですが、ゲーム業界に興味がある人は買っても損はしないかと)

『SF映画で学ぶインタフェースデザイン』 Nathan Shedroff, Christopher Noessel(著)、安藤幸央(監訳)、丸善出版、2014年 (SF映画の中に登場する様々な未来のユーザインタフェースを紹介しながら、それがどういった基礎技術から成り立っているのか、またそういったユーザインタフェースを実現するにはどうしたらよいのかといったことが解説されている本。数多くのレッスンをとおして想像しながら考えることができます)

『マイクロインタラクション – UI/UX デザインの神が宿る細部』 Dan Saffer(著)、武舎広幸/武舎るみ(訳)、オライリージャパン、2014年 (ユーザインタフェースの中でも、ひとつの作業だけをこなすという最小単位のインタラクション(やりとり)に注目し、その小さなインタラクションが何をもたらすのかといったことをまとめている本です。事例もかなり新しいものであり、その重要性がわかりやすく参考になります)

『インタフェースデザインの心理学 – ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100 の指針』 Susan Weinschenk(著)、武舎広幸/武舎るみ/阿部和也(訳)、オライリージャパン、2012年 (インタフェースに関する様々な心理学的知見をまとめている本。わかりやすい事例を多く紹介し、読みやすく参考になる本で、BADUI本で紹介しているBADUIと対応付けると色々腑に落ちる点もあると思います。部分的に根拠が示されていないものもあり少し注意が必要かもしれません)

『ユーザビリティエンジニアリング – ユーザ調査とユーザビリティ評価実践テクニック』 樽本徹也(著)、オーム社、2005年 (いかにしてシステムの使いやすさを測るのかということをわかりやすく説明してくれている本です。どのようにしてシステムを評価したら良いか悩んでいる方は是非どうぞ)

『錯覚の科学』 クリストファー・チャブリス、ダニエル・シモンズ(著)、木村博江(訳)、文春文庫、2014年 (注意や記憶、原因や可能性などに関する錯覚について、実際の事例や実験などをもとに科学的に解説している本で、如何に人間が間違うのか、勘違いしてしまうのか、記憶はあてにならないのかなどを教えてくれます。BADUI本で紹介している事例ももしかして私の錯覚かも?)

『考えなしの行動?』 ジェーン・フルトン・スーリ/IDEO(著)、森博嗣(訳)、太田出版、2009年 (人が無意識のうちにやってしまっていることを写真で紹介し、考えることを目的としている本で、色々と世の中に目を向け、観察したくなる面白い本)

『ライト、ついてますか – 問題発見の人間学』 ドナルド・C・ゴース、ジェラルド・M・ワインバーグ(著)、木村泉(訳)、共立出版、1987年 (どのようにしたら問題の定義をすることができるかということを、様々なストーリーを通して学ぶことができる本。多くの人が参考にしている名著。ただ、イラストや事例などは読者を選ぶような気がします。私自身はちょっと苦手な本です)

次いで,他の章で紹介している本は下記の通り。

『超芸術トマソン』 (ちくま文庫)、赤瀬川原平(著)、筑摩書房、1987年 (プロローグにて紹介。トマソンとは建築物に付属している愛らしい無用の長物のこと。BADUIも素敵な失敗例として考えていくと、なんとも愛らしいものに見えてきます)

『デザインの骨格』 山中俊治(著)、日経BP社、2011年 (第1章「手がかり」にて、駅の自動改札における読み取り部分の角度などのユーザインタフェース関係で紹介)

『ギブソン心理学の核心』 境敦史、小松英海、曽我重司(著)、勁草書房、2002年 (第1章「手がかり」で、アフォーダンスに関連して紹介。。様々な歴史を踏まえて説明されています。色々な本を読んでもアフォーダンスという言葉がなかなか理解できなかったのですが、この本で少しだけわかった気がしました)

『複雑さと共に暮らす – デザインの挑戦』 ドナルド・A. ノーマン(著)、伊賀聡一郎/岡本明/安村通晃(訳)、新曜社、2011年 (第1章「手がかり」で、アフォーダンスに関連して紹介。この本の中で、誰のためのデザインで使っていた「アフォーダンス」という言葉は誤用であり、それに変わる言葉として「知覚されたアフォーダンス」や「シグニファイア」という言葉を紹介してしいます)

『情報を見える形にする技術 [情報可視化概論] 』 Riccardo Mazza(著)、加藤諒(編集)、中本浩(翻訳)、ボーンデジタル、2011年 (第3章「対応付け」にてカラーユニバーサルデザイン関連で紹介。人によって色の見え方は異なってきますので、しっかり考える必要があります)

『スイミー―ちいさなかしこいさかなのはなし』 レオ・レオニ (著), 谷川 俊太郎 (翻訳)、好学社、1969年 (第4章「グループ化」においてゲシュタルト心理学に関連して紹介。国語の教科書でも読んだことのある人が多いのではないでしょうか)

『図の体系―図的思考とその表現』 出原栄一(著)、日科技連、1986年 (第4章「グループ化」において紹介。図をこれでもかと集め、体系化している素晴らしい本。30年も昔の本なのにまったく色褪せません)

『図解世界の色彩感情事典―世界初の色彩認知の調査と分析』 千々岩 英彰 (編集)、河出書房新社、1999年 (第5章「慣習」にて色と認識のギャップ関連で紹介。膨大な調査から男性の色、女性の色、色から受けるイメージなどが整理されています。中古品のみでお値段もかなり…)

『図解雑学 左と右の科学』(図解雑学シリーズ) 、富永 裕久 (著)、2001年 (第5章「慣習」にて紹介。左と右に関する様々な雑学がまとまっています)

『失敗百選 41の原因から未来の失敗を予測する』 中尾政之(著)、森北出版株式会社、2005年 (第5章「慣習」にてヒューマンエラー関連で紹介。世の中の失敗事例が集められ、そして詳細な分析とともに整理されている本。ゾッとする事例が沢山です)

『続・失敗百選 – リコールと事故を防ぐ60のポイント』 中尾政之(著)、森北出版株式会社、2010年(第5章「慣習」にてヒューマンエラー関連で紹介。上記の本の続編)

『プロトタイピング実践ガイド スマホアプリの効率的なデザイン手法』 深津貴之、荻野博章(著)、丸山弘詩(編集)、インプレス、2014年 (第6章「一貫性」にてプロトタイプ(試作品)を作成することの重要性にからめて紹介。いきなり本番の物を作るのではなく、試作を作ることはBADUIを作ってしまわないためにもとても重要です)

『矢印の力―その先にあるモノへの誘導 (ワールド・ムック 655 ビジュアルIDシリーズ 4)』 今井今朝春(編)、ワールドフォトプレス、2007年 (第7章「制約」にて矢印にまつわるBADUIに関連して紹介。膨大な矢印が集められた本で、見ているだけでなんだか楽しくなってしまいます。矢印って古代から使われてたんだなと改めて思い知らされます)

『オノマトペ研究の射程ー近づく音と意味』 篠原和子、宇野良子(編集)、ひつじ書房、2013年 (第8章「メンテナンス」にてトイレのサインとして文字が使われているケースに関連して紹介。オノマトペがどのような印象を与えるのか、そしてどう使われているのかという研究が多く紹介されています)

『ビューティフルビジュアライゼーション (THEORY/IN/PRACTICE) 』 Julie Steele (著, 編集), Noah Iliinsky (著, 編集), 増井 俊之(監訳) (翻訳), 牧野 聡 (翻訳)、オライリー・ジャパン、2011年 (第8章「メンテナンス」にて路線図に絡めて紹介。からみ合って分かりにくい路線図や膨大な情報をどう美しく表現するかなどについて書かれています)

『バッドデータハンドブック ―データにまつわる問題への19の処方箋』 Q. Ethan McCallum (著), 磯 蘭水 (監訳) (翻訳), 笹井 崇司 (翻訳)、オライリー・ジャパン、2013年 (第9章「人に厳しいBADUI」にて変なデータにからめて紹介。人が読めるとデータでも、コンピュータなどで処理をすることを考えると困ったことになることは多々あります。エンジニア/プログラマの人を発狂させないためにも、データはコンピュータが読むことも考えて作成したいところです)

『Say It With Charts: The Executive’s Guide to Visual Communication』 Gene Zelazny (著)、McGraw-Hill、2001年 (第9章「人に厳しいBADUI」で詐欺的なグラフに関連して紹介。誤解を生むグラフを通じて、いかに正しく情報を伝えていくかということが整理されています)

『マッキンゼー流図解の技術』ジーン ゼラズニー (著), 数江 良一 (著), 菅野 誠二 (著), 大崎 朋子 (著)、東洋経済新報社、2004年 (上記の訳書。「マッキンゼー流」という文言には?となってしまいますが…)

『ユーザビリティエンジニアリング原論』 ヤコブ・ニールセン(著)、篠原稔和(監訳)、三吉かおる(訳)、電機大出版局、1999年 (第9章「人に厳しいBADUI」で10ヒューリスティクスとユーザビリティ評価法に関連して紹介。オリジナルは1993年に出版。教科書的な本です)

『不便から生まれるデザイン: 工学に活かす常識を超えた発想』 (DOJIN選書)、川上 浩司 (著)、化学同人、2011年 (エピローグにて紹介。不便であるからこそ良いこと、便利になって失われたことなどを考え、多くの事例を元に具体的に説明されています)

なお、参考書籍では下記の本もあげていました。

『インタフェースデザインの実践教室 – 優れたユーザビリティを実現するアイデアとテクニック』 Lukas Mathis(著)、武舎広幸/武舎るみ(訳)、オライリージャパン、2013年

『ウェブユーザビリティの法則 改訂第 2 版』 スティーブ・クルーグ(著)、 中野恵美子(訳)、ソフトバンククリエイティブ、2007年

『About Face 3 – インタラクションデザインの極意』 Alan Cooper、Robert Reimann、David Cronin(著)、長尾高弘(訳)、ASCII、2008年

『ユーザ中心ウェブサイト戦略 – 仮説検証アプローチによるユーザビリティサイエンスの実践』 武井由紀子/遠藤直紀(著)、ソフトバンククリエイティブ、2006年

『ヒューマンコンピュータインタラクション』 岡田謙一/葛岡英明/塩澤秀和/西田正吾/仲谷美江/情報処理学会(著)、オーム社、2002年 (ヒューマンコンピュータインタラクションに関する教科書的な本。2002年のものなのでさすがに事例は古いですが、基本的な概念は網羅されてます)

『The Psychology of Human-Computer Interaction』 Stuart K. Card、Thomas P. Moran、Allen Newell(著)、CRC Press、1983年 (人はどのように認知し、そして振る舞うのかといったことに注目して、コンピュータの使いやすさに関する様々な研究の成果を整理したとてもとても有名な本)

あと,本の中では紹介していませんが、最近発売された本だと…

『モバイルデザインパターン 第2版 ―ユーザーインタフェースのためのパターン集』 Theresa Neil(著)、深津 貴之(監訳)(翻訳)、牧野 聡(翻訳)、オライリー・ジャパン、2015年 (モバイルにおけるユーザインタフェース事例を膨大なスクリーンショットとともに整理・紹介している本。第1版とは内容が大幅に変わっており、その変化を楽しむという意味でも第1版と第2版の両方を揃えた方が面白い。この後、第3版、第4版と続いていくと時代時代のユーザインタフェースが見えてきて面白いだろうなぁと今から勝手に今後を期待していたりします)

『融けるデザイン ―ハード×ソフト×ネット時代の新たな設計論』 渡邊恵太(著)、ビー・エヌ・エヌ新社、2015年 (同僚の渡邊さんの本。スミマセンまだ読んでません)

『スマホに満足してますか? ユーザインタフェースの心理学』 増井俊之(著)、光文社新書、2015年 (本当は使いにくいのに、そういうものだと思わされて思考停止してしまっていないだろうか? という事を問いかけてくれるユーザインタフェースに関する本。様々なユーザインタフェースに関する話が心理学を交えて紹介されています。新書なので短くて読みやすいです)

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