楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

認証コードを利用しないと使えないエレベータ

      2010/07/08

これまた学生さんからのタレコミ.

私が所属している京都大学の某センターは多くの教職員が利用する場所で,エントランスをはいって真っ直ぐ行ったところにエレベータが設置されています.

通常利用されるのは地下一階,一階,二階なのでエレベータを利用する必要はないのですが,台車等を利用して重い荷物を運んでいるときには一階から二階へとエレベータを使いたいこともあるのですが,残念ながらこのエレベータは認証制となっており,一般の人はできないようになっています.

まぁ,それ自体はセキュリティ面を考慮すると当然といえば当然なので,問題ではないのですが,そのエレベータは認証コードを知らない部外者は利用できないということについての情報提示にちょっと問題があり,悩んでしまいます.

入り口は下の写真のような感じ.

エレベータ

エレベータ

一応,エレベータの入り口の右側に立て札があるのですが,この立て札の位置が低く,文字が小さくてちょっと分かりにくい.また,方向によって文字が読みにくいため,ボタンを押してエレベータに入っても気づかなかったりします.特に,下の写真のように,エレベータは行き先ロックされていますという文字が薄く小さいため分かりにくい・・・

案内

案内

で,エレベータの中は下の写真のような感じ.

ボタンだけ

ボタンだけ

なんだか操作できそうなボタンがあるだけで,何の説明もありません.このエレベータの中に「このエレベータは行き先ロックされていて使えないよと書いてあればいいのですが,そう書いていないため中で試行錯誤してしまうことになります.で,しばらく後にこれが使えないことに気づいて出ていくことに.

この話を聞いてからしばらくここで観察していたのですが,気づかず入っていって,??という顔をしながら出てくる学生さんや教員の方がいました.特に,授業担当者の方は利用出来ると書いてあるし,二階に行くためにエレベータを使うような状況は重い荷物があるなど余程の状況のため,気づかずに使おうとしてしまうんですよね.

エレベータの中に何らかの情報を提示するか,外でもう少ししっかり情報を提示すべきなBADUIでした.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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