楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

照明と同時に使えない悲しいシーリングファン

   

今回扱うのは,とある会議室に設置されていたシーリングファン(天井扇:天井に設置された扇風機のようなもの).

シーリングファンは,室内の空気を循環させるために設置されているもので,空気を循環させることによって室内上部の温度と室内下部の温度が乖離してしまう問題を解決できるという優れ物です.また,シーリングファンが設置されているお家はなんだかおしゃれな感じがする(私だけかもしれませんが)という,装飾品としての意味合いもあるのではと思います.

下がそのとある会議室に設置されていたシーリングファンの写真.

シーリングファン(天井扇)

シーリングファン(天井扇)

写真を見るだけでは難しいように思いますが,問題に気づきますでしょうか? ちなみに,このシーリングファンの真下に会議のための机や椅子などが配置されています.

実際に体験するとすぐに分かるのですが,これ照明をつけたままでシーリングファンを回すと,照明とシーリングファンによって下にうっすらと影ができます.しかも,この影がシーリングファンの回転によって変化していくため,この下に座っていると影ができたり無くなったりすることによる明暗が凄まじく切り替わるというものになります.つまり,折角のシーリングファンがチラチラさせてしまう邪魔でしか無いものになってしまうという,なんとも困った仕組みでした.(ついでに,このシーリングファンの止め方が分からなかったため,照明を落とすという悲しいことに・・・)

シーリングファンと照明を設置する場合は,影を作らないように,または影ができたとしてもほとんど影響のないレベルにするなど位置関係をしっかり考えてほしいなと思います.シーリングファンも照明も悪くないのに,設置され方によって困ったものになってしまうというBADUIでした.

ちなみに,こうした影響が出ないようにするために,シーリングファンライトという,シーリングファンの下にライトが付いたものもあるようです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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