楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

子供のイタズラによって用を足している様子を見られてしまうトイレ

      2015/02/14

トイレの中で用を足している様子は,人様に見せられない恥ずかしいものですので,トイレのロックをしっかりできるかどうかというのは重要です.しかし,ロックはされているのだけれど,そのロックが解除されてしまうという困った状況もあります.

下の写真はとあるトイレのドアとドアを開閉するボタンです.このトイレは車椅子での利用も可能で,おむつの交換も可能というやや大きめの個室になっています.ドアの開け閉めについては一見すると特に問題が無さそうに見えます.

トイレの開閉ボタン

トイレの開閉ボタン

さて,このトイレ上図に見えるトイレの開閉のボタンの横に見えるのがチャイルドシート(大人が用を足している時に乳幼児を固定するもの)です.このチャイルドシートに子どもを座らせると下の写真のようになります.

ボタンにいたずらしようとしている...

ボタンにいたずらしようとしている…

もうお分かりかと思います.子供がチャイルドシートに座った時に丁度良い場所にボタンがあるため(子供はボタンを押すのが大好きです),多くの子供はこのボタンを押そうとします.用を足すための便座からこの場所の距離が離れているため(下の写真は,便座に座って撮影した様子.距離が離れているのがわかるかと思います),ボタンを押そうとする行為を防ぐことも出来ません.また,「押さないでー」とお願いしても,子供にとってはダチョウ倶楽部よろしくやって欲しいのかなと見事に押してくれるというものになっていました.

便座に座って撮影した様子

便座に座って撮影した様子

この時は,ボタンを押そうとしていたのでスマートフォンを渡して気をそらしたのですが,しばらくして下に落とされたので,今度は歌を歌って気をそらし,ズボンを履いているときにボタンで遊び始めていました.さいわい赤色に気を引かれたようで「閉」ボタンを押しているのですが,「開」ボタンを押してしまっていたらトイレのドアが全開になるため,大変なことになってしまいます.

子育てしているチャイルドシートを設置してくれるのは本当にありがたいのですが,設置するときはもう少し工夫してほしいと思ってしまう事例でした.

ちなみに,この関連ネタをBADUI本(第7章 p.170)でも紹介していますので,興味のある方はどうぞ.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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