楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

間違ってドアを閉じてしまうエレベータのボタン

      2015/01/12

ハンガリー(イタリア?)のどこかの観光地(場所を忘れてしまった・・・)で見かけたついつい閉じてしまうエレベータのボタン.

elevator4

あまり綺麗に撮影できていないのでちょっと分かりにくいのですが,開くボタンが横に2つ,閉じるボタンが横に2つ,長く開くボタン?が横に2つと,同じボタンがなぜか2つずつ配置されています.

このボタン配置は結構厄介ものです.これは私の例なのですが下記のようなことがありました.

  1. この塔の見学を楽しんだ後,エレベータに乗って下に降りようとする.
  2. エレベータに乗ったところ,エレベータに向かって歩いてくる老夫婦と目が合う.
  3. 老夫婦を待つため,閉まろうとするドアを開けておこうと考える.
  4. 老夫婦に対して「開けておくよ」というつもりで笑顔を見せる.
  5. 横目で「閉じるボタン」が目に入る.隣もそれらしきボタンであったため,その隣のボタンが「開くボタン」であると思いこんでしまい,そのボタンを押す.
  6. 実を言うとその「開くボタン」と思い込んでいたボタンは「閉じるボタン」であり,老夫婦の前でドアを閉じてしまう.

あの時の老夫婦の顔と,私の驚きようといったらありませんでした.老夫婦は私がボタンを押そうとしていたのは見えていたと思いますので,意図的に閉じたと思われてしまったかも・・・.結果,笑顔でドアを閉じるという極悪人となってしまいました.

何を思ってこんなボタン配置にしたのか気になって仕方がありません.まさか,そんな悪戯のためにではないでしょうけれど・・・.背反する機能は近くに整理しておいておけばこんなことにはならないと思うんですけどね.

ちなみに,閉じるボタンとその下にある開くボタンの左右の位置がずれているため,閉じるボタンと開くボタンが一見したときに同一カテゴリに分類される操作であると分かりにくいというのも,操作ミスを誘う理由の一つとなっています.

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(追記)色調補正をしてみました.少しは見やすいかも.

badui_elevator

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BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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