楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

押せないスイッチ

      2015/01/20

自分の家の中にあるユーザインタフェースにイライラしたことがある人も多いのではないでしょうか.BADUIを探すという課題を講義などで出すと,しばしば我が家のこれを見て下さい!と楽しそうに学生さんたちが報告してくれます.

さて,ここで紹介するのもそうした学生さんからのタレコミです.

下の図はリビングにあるボタンスイッチらしきものです.ピントがあっていないため見えにくくなっていますが,ダイニングとリビングという文字が上下に書かれています.一見すると,ここに2つのボタンスイッチがあるように見えます.

ボタン?

ボタン?

ただ,この2つのボタンスイッチ,上は押しこむことが出来るものであり,スイッチとして機能するものらしいのですが,下のものは押しこむことが出来ないもののようです.見た目もほとんど同じですし,ボタン左上の黒い部分にランプが灯るようになっているのですが,この下のボタンらしきものはカバーであり,そのカバーの下などに操作用のボタンがあるそうです.

どうやら,このスイッチのカバー全体が開閉可能なものとなっており,カバーを開けるとこの下のボタンスイッチらしきものが一緒に動くのですが,上のスイッチのみはそのまま残り,今までどおり押すことが出来るというもののようです.ちなみに,下のものは予約の状態などを示すランプなのだそうです.

見栄え上このようにしているのかもしれませんが,似たようなユーザインタフェースでありながら,違うものにしてしまっているために一貫性が悪い方向に働いており,使いにくいものになってしまっているというものでした.なかなか興味深い事例です.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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