楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

押してはダメそうな雰囲気を醸し出すボタン

   

京都は海外からの観光客が非常に多い場所で,私の自宅の近くのホテルにも多くの海外からの観光客の方が宿泊しています.そんな私の家の近くの地下鉄の駅のエレベータでのこと.

普段は階段を使うのですが,荷物がとても重かったのでエレベータへ.すると,エレベータの中には海外からの観光客の方が乗っており困った顔をしている.なんだろうと思ってエレベータに乗ると下のようなボタンがありました.

地下鉄のエレベータ
地下鉄のエレベータ

そこには,開けるボタンと閉じるボタンが上下に配置されており,「上」というボタンと「下」というボタンが左右に配置されている.しかも,「下」というボタンの下には「改札階」という黄色のサインが.文字が読めない人からすると,なんとも押してはダメそうな雰囲気を醸し出している.

地上から地下の改札階へと降りなければならないため,この「下」というボタンを押さなければならないのですが,文字を読めない場合,このボタンを押すにはとても勇気がいります.ここで,「上」と「下」が空間的にも上下に配置されていればまだ予測はできるのかもしれませんが,そうではないのがまた厄介.また,現在地上階にいるため「上」のボタンを押しても反応しないというのもこれまた厄介な話でした.

そのお困りだった外国人の方に,これどれを押したら良いのと訊かれ,「下」のボタンを教えると,「これはWarningじゃなかったの?」と一言.観光都市としてはありえない感じのBADUIでした.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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