楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

吃驚するトイレのサイン

      2009/11/03

多くの男性が驚いて引き返してしまうトイレのサイン.

toilet_sign

国際会議の会場だった Hotel Krasnapolsk (アムステルダム)にあったトイレ(男性用)のサイン.

このトイレは,1階(学会会場やフロントがある階)から階段を下りた先ににあり,その案内のために1階の階段を下りるところには下図のようなサインがあります.

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学会の参加者やホテルの宿泊者はこの1階にあるサインを見てトイレに向かうわけですが,その階段を下りた先は踊り場とトイレのみというスペースで下図のようにトイレのドアが二つ並んでいます.

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階段を下りた時にまず目に入るのが右側の女性用トイレのサイン.

男性の場合,まず右側の扉のサインを見て「右側は女性用か」と考え,次に左側の扉に目をうつします.ここで,左側の扉のマークが赤色であることに気づき,「えっ,これも女性用か?」と勘違いしてしまうというものです.

多くの男性が,もしかしたら1階で見たトイレのサインが間違っていたのではと,サインを確認するために一旦1階まで戻ってきていました.私も,会議の休み時間に焦ってトイレに行ったときにこのサインで驚いてしまい,一度引き返してしまいました.トイレを利用しようと思っているときは,普段より多少なりとも焦っているので,こういったサインに本当に驚かされてしまいます.

ちなみに,私が国際会議でこのホテルを利用していた間に,一度だけ女性が間違って男性用に入ってきて,驚いて出ていくことがありました.階段を降りるとまず右側のトイレが目に入るため,通常であれば女性はあまり間違えないと思うのですが,なんとなく先に左側のトイレが目に入ってしまったんでしょうね.

こういった男女を分けるようなシチュエーションにおいて,サインの色が同一のものは海外でよく見かけます.例えば,下の写真のように女性用でサインが青色のものもあります.

toilet_sign2

ジェンダーフリーというのはわからなくはないのですが,それならこれまで利用されていた赤色や青色ではなく,他の色で表現していただければ,焦っているときに驚かされないで済むのにと思うのでした.

まぁ,人間観察が大好きな私にとって,1階のサインの近くで何人もの男性が戻ってくるのを観察しているのは楽しく,興味深いものでした.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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