先日開催された,ユーザインタフェースの専門家が集まる会議の会場に置いてあったコーヒーメーカーで,多くの人がコーヒーが溢れそう!これどうしたらいいんだ?などと悩んでいたのが面白かったので紹介.
こちらのコーヒーメーカー.普通にボタンを押してコーヒーを注ぐと,少しの量しか入りません.だからともう一度押してしまうと,こちらの写真のように溢れそうになってしまいます.
で,よく見ると下の写真のように「ミニカップは1回,レギュラーカップは2回」と書いてありました.なので,2回押すのは自然といえば自然です.でも,上の写真のように溢れてしまいます.
コーヒーを入れる用のカップは,下の写真のようにコーヒーメーカーのとなりに置いてありました.
ここでよーくよく見てみると,手前と奥のカップの大きさが違うことが分かります.つまり,ショートサイズが手前に,レギュラーサイズが奥に置いてあるわけです.この奥側のレギュラーサイズカップを使えば,2回押しても普通量で問題はありません.
ただ,小さいサイズと大きいサイズにそこまで見た目の違いがあるわけじゃありませんし,手前に小さいサイズ,奥に大きいサイズが置いてあるので遠近感で両方が同じサイズに見えてしまいます.その結果,ほとんどの人がサイズの違いに気付かず,手前にある小さいサイズのカップを選んでコーヒーを溢れかけさせるということになっていたのでした.
下図のようにカップを横に置くとまだましですが,これでも見た目にそこまでの違いがあるわけじゃないので,気付かない人も多いかと思います.カップの色を変えるとか,そもそもレギュラー用のカップしか置かないなどの工夫が必要かもしれません.
こういう問題があったので,このストップというボタンを早押しすりゃいいのか?などと言いながら早押ししたりする人がいて,なんとも面白い場になっていました.興味深い事例です.