人の手首や腕の関節可動域を無視した開けるのが難しいドアレバーハンドル
学生さんからのドアレバーハンドルに関するタレコミ.
ドアノブやドアレバーハンドルなどにも使いにくいBADUIが多く,予想と違う挙動をして悩んだり,吃驚する(勢いつけて開けようとして頭を打つことも)こともありますが,今回学生さんにたれこんで頂いたBADUIもそんな感じのBADUI.
下のような写真のドアレバーハンドルを見て,ドアを開けようと思った時,レバーハンドルをどちらの方向に動かすでしょうか?
私なら,下の写真のようにドアレバーハンドルをひねります.
ただ,上の写真を見ていただいてもわかるように,この状態までドアレバーハンドルを動かした時に,ドアのラッチ(ひっかかる部分)が引っ込んでいないのが分かるでしょうか?つまり,この状態では,ドアは開きません.
正解は下の写真のような感じ.
人間の手首や腕の関節の可動域を考えた場合,とても不自然な格好となってしまいます.
写真を見ていただければわかると思いますが,このドアレバーハンドルは基本的に左手で操作することになります.人類の多くは右利き(1977年のHardyckらの調査では,左利きは10%程度)ですので,どちらかというと利き腕である右手の方が自由に動く&チカラが強い人も多いかと思います.このドアを開けるには,左手でそもそも力を加えにくい方向にドアレバーハンドルを動かし,さらにそこから手前に引くという操作が必要となるため,なんとも開けにくい(そこで暮らしている人に折っては日々とても面倒な)ドアになってしまっています.
なんでこんなことになってしまったのか,悩ましいBADUIでした.
BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました