楽しいBADUIの世界

1日1 BADUI(ユーザインタフェースの失敗学)

同じ見た目なのに機能や操作方法が違うエレベータのボタン

   

まずは落合さんが紹介しており,Twitter上でかなり盛り上がっているツイートを紹介.

エレベータを呼び出す上下のボタン(どちらの方向に進みたいのか)と,エレベータが現在どの階にあるのかという表示灯がとても似ているものであるために(丸型で中央に方向や階を示す部分があり,その周辺が光るものとなっている)混乱してしまうというもの.そのため,ついつい間違って今自分がいる階の表示灯を押してしまったり(反応せず悩んでしまう),エレベータのボタンが光っているから押されていると勘違いして待ちぼうけになってしてしまうというもの.見た目がそっくりなものでありながら,違うものとして使われているため混乱してしまいます.そうしたことに苛立ったのか何なのか,「押すな!」と「押すな!は単なる表示灯で,行き先選択ボタンではない!」というテプラが貼られまくって面白いことになっています.

ちなみにこの事例について秀逸なのは,1枚目の写真に見えているように,下部にある「エレベータを呼び出す上下のボタン」とまったく同じ上矢印,下矢印のものが上部にあるということ.こちらにも「押すな!」というラベルが付けられていることから,これは「エレベータがどちらの方向に進んでいるのか」か「現在こちら方向で呼び出されています」という事を示す表示灯になっているのだと思います.これは色々と勘違いしてしまいそうです.

似た見た目でありながら,振る舞いが異なるエレベータのボタンって結構あります.学生さんのタレコミにもあるのですが,こちらとかこちらで紹介されているエレベータでは,似た見た目をしていながら階はタッチ式のもので,開閉ボタンは押しこむタイプとなっています.そのため,階数ボタンをおもいっきり押し込んでしまったり,開閉ボタンを触るだけで操作している気になってしまい,ついつい人をドアに挟んでしまうという問題が発生してしまいます.

タッチ式と押し込み式

タッチ式と押し込み式

タッチ式と押し込み式

タッチ式と押し込み式

これを設置した人は見た目の統一感が重要だ!と思ってやったのだと思いますが,人は見た目で色々と判断してしまうものであり,似た見た目のものであれば同じ操作の可能性があると思ってしまいがちです.操作の一貫性という意味でも機能が違うものは違うものとして別の見た目をしておいて欲しいものです.

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

 - interface , , ,