子連れでトイレに行く時、抱っこしたまま用を足すことは困難ですし、トイレ内で子供をウロウロさせてしまうとそちらもまたいたずらをして大変なので、ベビーチェアがあると本当に助かります。ただ、ベビーチェアが設置されるときにあまり考えられていないことが多いのか、子供のいたずらによって用を足している姿を見られてしまいそうになるといった困ったことが生じるのも珍しくありません。
さて、こちらは電車内のトイレで見かけた類似のベビーチェアにまつわる事例(失敗から学ぶユーザインタフェースでも紹介)。こちらもまたベビーチェアがしっかり設置されているので助かるのですが、ここに子供を座らせるとちょっと大変なことになってしまいます。何が起こるでしょうか?
この事例、ベビーチェアのすぐとなり(赤ちゃんが手を伸ばせる場所)に手洗いがあります。また、その手洗いは何かをひねって水を出すものではなく、手を近づけるだけで水が出るものとなっています。
つまり、ここに子供を座らせると、手洗いの方に手を伸ばして水を出し、さらにその水を手でバシャバシャするので水浸しになってしまいます(用を足している大人も水をかけられてしまいます)。せめてもう少しベビーチェアが手洗い場から離れているとか、センサではなくてひねるタイプのものとか、高さが違うとかであれば問題ないのですが、子供にとっては手を動かすだけで水が飛び出してきて面白いものがそこにあるので、床が水浸しになるだけでなく、子供や親が濡れてしまったりと大変です。
電車内なのであまりスペースが無いのはわかりますが、床を拭いたりなど後が大変ですし、もう少しだけスペースに余裕があるので、手洗いからは離してほしいものです(手洗いから離した結果、鍵を操作できるようになったらそちらはそちらでまた困りますが)。
とはいえ、こういったことは実体験がないとなかなか気付かないですし(自分も子供が出来るまでは意識したことがなかったですし)、実際に子どもをセットして実験することも難しいでしょうから、BADUIになりがちなんだろうなと思います。設置することを重視して、そこの中での振る舞いについては考慮できていないことも多いでしょうし。
そういう意味でもこれこそ素敵な失敗例で、今後役に立つものだと思いますので、そうしたデザインにかかわられることが有りましたら、子供は手の届く範囲にある何か動くものを触るのがとても大好きで、大人が困ると喜ぶってことを、少しでも思い出していただけると幸いです。